市原ぞうの国(CW: Sayuri World)

今回は批評を離れて軽い話題。

週末が父の誕生日だったので、実家に帰ってお祝いついでに「市原ぞうの国」に行ってきた。ここは市内の森の中にある小さな動物園なのだが、飼育しているぞうの頭数は日本一(カピバラもそうだったかもしれない)という、ぞうに特化した動物園である。むろん、ぞう以外の動物もいるのだが。

夏休みも終わりに近づいた小雨の日曜日、賑わいとは程遠い園内を一望する限りの第一印象としてはただの「田舎の動物園」に過ぎない。まずは内装が野暮ったい。動物の檻も、鉄の柵の中に囲まれたコンクリの床の上に申し訳程度に置かれた動物用の遊具(寝具?)だけであり、糞尿は床の上にバラ撒かれたままだ。そんな檻の中で、何の楽しみもないかのようにのそのそと動き回る動物の姿は、人類の動物に対する偽りのない権力関係を見せつけられるかのようである。子供向けのファンシーな動物のイラストとの対照のグロテスクなギャップは昔の動物園さながらに丁寧に再現されていた。

しかし、ここはさすがにただの動物園ではなかった。(続く)